猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

折り紙とあなたとぼく

折るたび静かに

影が立ちのぼり

あなたの指先が隠れてしまう

 

あらあらダメよ

可笑しそうにその人は

しっかりついた折り目を

開いたり閉じたりしながら

ぼくの前足から

器用に逃げる

 

鶴が座り

花がころがり

風船が舞う

そのうち少し大きめの箱が出来上がって

鶴と花と風船がなかよくおさまり

光と影もちょうどよい按配に

 

扇風機がぶぶぶと回って

西瓜の匂いがたまっていく

今年も夏をくんくんしながら

ぼくはうとうとし始める

 

 

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