猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

光と影

光だけを編むか

影だけを紡ぐか

迷っていた頃のあたしたちの話

 

どちらかに特化したことは

街中にあふれていて

“いいこと”

“悪いこと”

などと便宜上隔てられた

 

“いいこと”は

きみにとっては致命的で

“悪いこと”は

すごくあたしにフィットしてて

(スイーツだったり脂身だったり)

 

世の中

なんと複雑怪奇と

顔を見合わせガックリした

 

光だけを編んだところで

影はどこかに現れるものだし

影だけを紡いだところで

光を見出せない訳でもないのだし

 

そもそも

どちらかだけで出来上がっている命なんて

存在しないに違いない

 

ようやく答えに近づいたころ

あたしたちはもう

向かい合ってパフェをつつくことは

無くなってた

 

 

今も変わらず

どちらかに特化したことは

星中にあふれていて

“いいこと”

“悪いこと”

などと便宜上隔てられっぱなしなのである

 

 

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