猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

夏の午後

さく、さくさく

黒髪が落ちる

 

しゅ、しゅしゅ

耳元でブラシが跳ねる

 

ゴォ、ゴォゴォ

ドライヤーの風があたたかい

 

髪の長さとボリュームを

互いに確めあえば

もう

店主は何も言わない

僕も何も言わない

 

静かに時が流れ

店内にはラジオの音が満ちている

 

さく、さくさく

黒髪が落ちる

 

しゅ、しゅしゅ

耳元でブラシが跳ねる

 

ゴォ、ゴォゴォ

ドライヤーの風はあたたかく

夏の午後が幸せに過ぎていく

 

 

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