猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

恋人の猫

きみの鼻が冷たくなって

自分でもわかっているのか

ぼくの手の中に顔をうずめる

冷たいな、冬だからなのかい

きみは答えるかわりに喉を鳴らす

ここが指定席なの、と言わんばかりだ

 

手袋をはずせばいつの間にか

きみのおもちゃになって

あたしにくれるんでしょ、と笑うかわりに

放り投げて引っ張って押さえ込む

 

恋人の猫はいつもそんなふうだ

そろそろ人だけで話したいんだが

心に浮かべた途端の甘噛み攻撃

困ったかわいこちゃんだ

ついにしびれを切らして恋人が

寒いから入りなよ、とLINEしてきた