きみの鼻が冷たくなって
自分でもわかっているのか
ぼくの手の中に顔をうずめる
冷たいな、冬だからなのかい
きみは答えるかわりに喉を鳴らす
ここが指定席なの、と言わんばかりだ
手袋をはずせばいつの間にか
きみのおもちゃになって
あたしにくれるんでしょ、と笑うかわりに
放り投げて引っ張って押さえ込む
恋人の猫はいつもそんなふうだ
そろそろ人だけで話したいんだが
心に浮かべた途端の甘噛み攻撃
困ったかわいこちゃんだ
ついにしびれを切らして恋人が
寒いから入りなよ、とLINEしてきた