猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

殘滓

もうそれほど残ってはいないでしょう

シワシワの欠片(だったもの)を差し出される

あの方の顔なんて忘れたわ、と微笑んだ

あなたが持っていたいならそうすればいいのだし

あなたが手放したいのならそうなさい

もっともこれじゃあ

喰い尽くされ搾り尽くされ何も出てきやしないでしょう

 

もうそれほど残ってはいないでしょう

シワシワの欠片(だったもの)を差し出される

あの方の顔なんて忘れたわ、と彼女は微笑んだ