猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

電車

人生で何度めかの

執着が強すぎる日が訪れて

電車であたしはキュッと唇を噛む

 

わかってるから

わかってるのに

そんなどうでもよさげな

いつもは受け流してしまう空気感が

いつまで経っても現れない

 

あたしは電車の速さに追い立てられ

大人の心と子どもの心を行ったり来たり

執着を乗せたまま目的地へなだれこむ

 

今日だけだ

いや今だけだから

過去になり続ける現在を

後めたく思っちゃダメだ

 

わかってるから

わかってるけど

 

人生で何度めかの

執着が強すぎる日が訪れて

電車であたしはキュッと唇を噛む

 

電車は止まらない

わかってるから

わかってるけど