哀しいのか
さびしいのか
情けないのかは
わからなかったが
孤独に近づいているのは
慥かであった
孤独はそのどれでもあるようで
孤独はそのどれでもないようで
舌の上にのぼるうちは
おおよそ真の孤独ではないのである
殻を捨て膜を破り
分子の奥深く眠るような
透明さをもって
ようやっと
孤独へありつくものなのだ
苦しいのか
辛すぎるのか
果てしないのかは
わからなかったが
日々
透明な孤独に近づいているのは
慥かであった
闇が晴れないとか
雨が止まないとか
光を見失うとか
孤独はそのどれでもあるようで
孤独はそのどれでもないようで
舌の上にのぼるうちは
おおよそ真の孤独ではないのである