猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

孤独は透明である

哀しいのか

さびしいのか

情けないのかは

わからなかったが

孤独に近づいているのは

慥かであった

 

孤独はそのどれでもあるようで

孤独はそのどれでもないようで

舌の上にのぼるうちは

おおよそ真の孤独ではないのである

 

殻を捨て膜を破り

分子の奥深く眠るような

透明さをもって

ようやっと

孤独へありつくものなのだ

 

苦しいのか

辛すぎるのか

果てしないのかは

わからなかったが

日々

透明な孤独に近づいているのは

慥かであった

 

闇が晴れないとか

雨が止まないとか

光を見失うとか

 

孤独はそのどれでもあるようで

孤独はそのどれでもないようで

舌の上にのぼるうちは

おおよそ真の孤独ではないのである

 

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すいふぉんさんによるイラストACからのイラスト