拙詩を朗読してくださった
恩人のような人がいます
もう何年前になりましょうか
よく響く鍛え上げたその声で
まだまだ幼すぎる作品を
丁寧に朗読してくださいました
誰かの声で自分がむき出しに晒されていく
恥じらいのうちに俯いておりますと
「きみにはない世界観だね」
そばにいるその方の友人に
独特な感想を述べたのでした
衝突や激昂に削られようが
比較の視線を浴びようが
誰かと同じでなくていい、と
ようやく心から思えるようになり始めた頃の
出来事でございます