猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

買わなくなったもの、または買わなかったもの(買わなくなりそうなもの)-7

いわゆる毛糸の帽子や、耳マフと呼ばれるもの。

擦り切れたりなんだりで、手放しては買い替えしてきたのだが、ようやっとそのサイクルから逃れられそうである。

 

フィッシャーマンキャップ、という帽子をご存じだろうか。

ベレー帽にも、つばのごく浅いニット帽にも見える帽子である。

もともとは、船上のように風の強いところで働く人のためのものであるらしく、強風でも飛ぶ心配がないという。

 

サイズの調整ができる。

男女兼用で、年齢やファッションを選ばない。

値段が手頃で、家で洗える。

 

その点が気に入り、試しに購入したのだった。

 

ある風の強い日、所用で夕刻まで外にいた。

フィッシャーマンキャップも、帰宅時まで被っていた。忘れるほど軽く、ほどよくあたたかく、ヘアスタイルを気にしなくてよかった。

もちろん、飛ばされることもない。

ベレー帽のように、角度や被り方に少しばかりテクニックがいるというわけでもない。

 

そんなわけで、ニット帽を買わなくなった冬である。

 

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