さらさちゃんが
クリスマスの本来の意味を知ったのは
小学校にあがる頃でした
家族ではない大人がプレゼントしてくれた
イエスさまの絵本は
さらさちゃんへ宛てた
お手紙つきのまま
何日も何日も
さらさちゃんの目に触れにくい場所に
押し込まれていたのです
パパとママが「早すぎる」という理由で
隠したらしいのですけど
それを見つけたのが
さらさちゃんの妹だったので
それはそれで大騒ぎになりましてね
とまあこんな具合に
サンタクロースはいないと
ことある毎に教え込まれ
クリスマスのパーティは
実家を離れて初めて味わったほどです
つつましいと冷たいは
時に紙一重
愛情と束縛もまた
時に紙一重なのだと
大切な人たちと賛美の歌を奏でながら
大人のさらさちゃんは
ふうっと息を吐き出したのでした