猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

小さなギャラリー

それは

ほんの今しがたのこと

小さなギャラリーは活気に満ちていた

 

まだ

懐かしむには近すぎて

思わず振り向けば

先ほどと変わらぬ光景が広がる

 

いつものように再会を喜びあって

立ち去っただけなのに

時間軸ごと失われたみたいで

群衆にのまれながら涙をこらえた

 

それは

ほんの今しがたのこと

まだ

誰かと約束を交わすには

明るすぎて

思わずあおいだ夕空に龍が舞った

 

それは

ほんの今しがたのこと

小さなギャラリーは熱気と愛に満ちていた

いつかの12月のように

光に満ちていた