猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

恋に落ちるまでは

打ち捨てられたカケラなど

興味はなかった

“燃えさかる”の枕詞も

どこか他人ごとで

恋バナを舌にのせるたびに

心は冷えこむばかりだった

 

打ち上げられる季節になっても

心は動かなかった

“雪も溶けるほど”の枕詞も

どこか絵空事で

無理にうなずきながら苦笑いしたものだ

 

悲喜交々とはよくある話で

妄想だけが足元に押し寄せて

散々に乱れ

落ちれば過去は意味をなくすのだ