結局
同系色にまみれた赤を前に
涙も枯れて途方にくれる
夕方
街に落ちた影は
猫たちの忘れものだから
決して触れてはいけないと
子ども心に思ってた
どんなに見事な影だとしても
褒められたことなど
一度もなくて
ただ光ばかりが称賛される
美しさを疑えばキリはなく
醜さを思えば心は苦く
どんなに見事に装っても
褒められることなど
一度もなくて
ただ誰かの気配に怯えるばかりだ
結局
同系色にまみれた赤を前に
涙も枯れて途方にくれる
夕方
街に落ちた影は
猫たちの忘れものだから
決して触れてはいけないと
子ども心に思ってた