猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

残像になるまで-c

結局

同系色にまみれた赤を前に

涙も枯れて途方にくれる

 

夕方

街に落ちた影は

猫たちの忘れものだから

決して触れてはいけないと

子ども心に思ってた

 

どんなに見事な影だとしても

褒められたことなど

一度もなくて

ただ光ばかりが称賛される

 

美しさを疑えばキリはなく

醜さを思えば心は苦く

 

どんなに見事に装っても

褒められることなど

一度もなくて

ただ誰かの気配に怯えるばかりだ

 

結局

同系色にまみれた赤を前に

涙も枯れて途方にくれる

 

夕方

街に落ちた影は

猫たちの忘れものだから

決して触れてはいけないと

子ども心に思ってた

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