猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

押しつけ屋-1

「半端に余ったのでよかったら」

 

その人は

子どものこぶしほどの

可愛らしい包みを

押しつけてきた

 

いやいや

不足はありませぬ

 

そう声を発するまも与えず

その人は

「では、ね」

足早に消えた

 

巷で流行りの

押しつけ屋である

 

ふうう、と知らないうちに

ため息3度

それが合図で現れるとは聞いていた

 

薄っぺらい愛情か

欺瞞に彩られた正義感か

そんなものを人心に植えつけるのが

生業だそうな

 

包みを燃やして

無かったことにしてもいい

見知らぬ誰かに

バトンを渡すのも一興

 

マスクの下で

思わずにたり

さあ

どうしてやろうか

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