「半端に余ったのでよかったら」
その人は
子どものこぶしほどの
可愛らしい包みを
押しつけてきた
いやいや
不足はありませぬ
そう声を発するまも与えず
その人は
「では、ね」
足早に消えた
巷で流行りの
押しつけ屋である
ふうう、と知らないうちに
ため息3度
それが合図で現れるとは聞いていた
薄っぺらい愛情か
欺瞞に彩られた正義感か
そんなものを人心に植えつけるのが
生業だそうな
包みを燃やして
無かったことにしてもいい
見知らぬ誰かに
バトンを渡すのも一興
マスクの下で
思わずにたり
さあ
どうしてやろうか