猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

きみを待つ

鼻の脇を少し気にして

あたしは

ゴムを引っ張った

 

“止まない雨がないのなら”

 

2時間遅れのきみをなじりたくなって

慌てて

右手ごとスマホをバッグに追いやる

 

きみは

約束なんてしなかったことにして

遠くからあたしを見てるのかもしれないし

きみの

乗った電車が

遅れているだけかもしれないし

 

“雨で気が変わったのかね(笑)”

 

軽い感じでLINEすればいいのに

ここぞとばかりに心がブレーキを踏むんだ

 

鼻の脇を少し気にして

あたしは

マスクのゴムを引っ張った

 

自粛ムードが薄れた街の

ライオンのそばで

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