猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

療養-6

“今までよりひと回りほど大きく”

 

生まれて初めて

そうオーダーした

 

ブレスレットを選ぶとき

標準より細めに作っていただくのが

常であったが

怪我を負えば当然

前と同じにはいかないこともある

そのひとつがサイズであった

 

腫れがひき

取り落とすのはトーストぐらいになり

(不思議と重いものは落とさない)

体の自由度が増すごとに

心のサイズも些か変わっていくようだ

 

切なさと安堵が綯い交ぜとなり

曇り空のもと

今日も生きている

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