2020-07-03 療養-6 詩人は嘘をつく “今までよりひと回りほど大きく” 生まれて初めて そうオーダーした ブレスレットを選ぶとき 標準より細めに作っていただくのが 常であったが 怪我を負えば当然 前と同じにはいかないこともある そのひとつがサイズであった 腫れがひき 取り落とすのはトーストぐらいになり (不思議と重いものは落とさない) 体の自由度が増すごとに 心のサイズも些か変わっていくようだ 切なさと安堵が綯い交ぜとなり 曇り空のもと 今日も生きている