猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

真夜中の散歩-2

右眼も左眼も

すっかり眠ってしまうと

右腕と左足が

あるじを起こさぬよう

そっと褥をはなれた

 

しばらく逡巡していたが

燃え落ちた星のカケラぐらいは

拾えるだろうと

連れ立って出かけたのである

 

砂は焼け焦げ

空も熱く

そんな夜も乙なもの

 

右腕と左足は

星のカケラも

あるじのことも

しばし忘れて踊り狂っていたが

 

すっかり指先が冷えきったので

もといた場所へ帰っていった

 

真夜中はまさに

始まったばかりであった

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