2020-05-23 真夜中の散歩-2 童話詩 右眼も左眼も すっかり眠ってしまうと 右腕と左足が あるじを起こさぬよう そっと褥をはなれた しばらく逡巡していたが 燃え落ちた星のカケラぐらいは 拾えるだろうと 連れ立って出かけたのである 砂は焼け焦げ 空も熱く そんな夜も乙なもの 右腕と左足は 星のカケラも あるじのことも しばし忘れて踊り狂っていたが すっかり指先が冷えきったので もといた場所へ帰っていった 真夜中はまさに 始まったばかりであった