猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

偽物ミニマリスト-1

深夜に立ち上げたPC画面みたいに

一日は始まり

目覚まし時計のベルも

スケジュール管理も

好きな音楽を聴くのも

代価を支払うのも

画面ひとつで事足りるから

 

ぼくは家具と家電をあらかた手放し

頓狂な服を手放し

AIが寄り添ってくれるから

淡いのも濃いのも付き合いは手放した

 

ある日電気がなくなって

ついでにインターネットも消失して

気づけば空も海も干上がって

命もそこそこ乾いていった

 

その日がくるまで誰も教えてはくれない

命の潤し方なんて