空がまばたきする
1000年に1回とも2000年に1回とも
言われているがね
空がまばたきする
そう
雲読みの人らは
“降る”とラジオで伝えているでしょう
たまたま“おしまい”のほんの絶望の近くに
命をもらいうけた
雲を数える宿命を託されて
空がまばたきする
いずれ必ず
ものすごく久しぶりのことだから
何が起こるのか
何も起こらないのか
“降る”の先に訪れるという
“まばたき”
ほらほら
そんな深刻な顔したって
その瞬間なんて
人にも猫にもわかりはしないのさ
“おしまいのミルク”を持って行きなさい
窪みの人に会ったら
詩人屋さんが新作の感想を聞きたがってると
伝えておくれ
急な“空落ち”には気をつけて
☆作者註[窪みの人]
窪みに暮らす三つ目の種族。
頑丈そうな傘と「そうさねえ」の口癖がチャームポイント。
童話詩のカテゴリに時々登場。