朝靄に昨夜の遠雷が溶けて
幾筋もの命と宇宙がつながるものだから
きみを失ったことも
涙を枯らしたことも
とりあえず横に置いて
クッションに顔をうずめたんだ
金木犀の香りはずっとかすかになって
幾重もの次元を通り抜けるものだから
きみが遺したものも
いつかの会話も
とりあえず箱にしまって
空に漂ったんだ
朝靄が昨夜の北風を溶かして
幾筋もの光と宇宙がつながるものだから
きみを失ったことも
涙を枯らしたことも
とりあえず横に置いて
クッションに顔をうずめたんだ