猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

幽閉

壺の中の人魚

干上がりそうな海で

僕に拾われた

 

壺の中の人魚

食べもせず眠りもせず

僕に拾われた

 

壺の中の人魚

恋もせず歌いもせず

僕と過ごした

 

壺の中の人魚

過去と未来をあぶくに変えて

僕を閉じ込めた

 

干上がっていても

ふるさとが忘れられないからと

僕を閉じ込めた

 

壺から出た人魚

干上がった海で

僕を放した