猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

崩壊

変動するトレモロだと笑ったのは

僕の知らない誰かだろうか

雲行きのクレシェンドなど馴れ合いのようで

持続する色彩のない風は

ふたりを結ぶこともなく

日々が崩壊する

 

変動するトレモロだと泣いたのは

君の知らない誰かだろうか

ディミヌエンドする世界の速度に

ふたりは縛りつけられたまま

季節が崩壊する