猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

丁寧な手紙

ほしくもないのにやめられない

ほしくもないのにとめられない

 

きみがよこした

とても丁寧な手紙に

ぼくは心を吸いとられそうで

慌てて折りたたむ

 

気持ちが通い合っていると

思い込んでいた頃もあったけれど

決して短い時間ではなかったけれど

 

ほしくもないのにやめられない

ほしくもないのにとめられない

 

懐かしい君の文字は

少し乱れて

それでもとても丁寧だった

 

ぼくの健康を気遣う

あたりさわりのない手紙だと

思っていた

 

最後に黒々と書かれた二行を読むまで