猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

点滅信号#1〜トーザ・カロットの人々

変わり映えしない点滅信号をくぐって

冷え切った空を夜中に回収しに行くのです


あたりは真っ暗でも

わたしたちには関係ない

何しろ猫の日常なので


そんなにしょっちゅうではないが

元見習いのあの子も手伝ってくれるし

運が良ければ石を拾うこともできる


わたしはもう長いこと旅はしていないが

この星で毛糸やお茶を愛している日々にも

何か意味があるのでしょう


“丈夫なふくらはぎ”か

いい言葉です


猫そっくりの店主は

キンキンに冷えたカップを手にして

しっぽをゆらゆらさせました