猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

君に伝えたいこと

玄関には季節の花

食卓には旬の食材

仕事の愚痴でもこぼそうものなら

憤りすら共有して

“だいじょうぶ、あなたはちっとも悪くない”

それが僕には苦痛だ


バスルームはピカピカ

トイレは薄くミントの香り

ふかふかタオルとふかふかスリッパ

どれもこれも白く輝き

それが僕には苦痛だ


退社時のLINEも

おやすみのキスも

熱情を分け合うことも

悦びでしかなかったのに


笑顔も泣き顔も愛さえも

ひどく息苦しくて

それを切り出す瞬間を手探りする

君を抱きしめながら