猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

指先でなぞるのは

指先でなぞるのは

遠すぎる雲の輪郭

涙より不確かなのに

愛より近く


感情がなぞるのは

近すぎる両腕の輪郭

雨よりやさしいのに

冬より冷酷で


舌先がなぞるのは

消えそうな幸せの記憶

光よりおぼつかないのに

嘘より憎らしい