雪だるまの満月が
見えるひとと見えないひとが
いると知ったのは
ほんの数日前のこと
「雪だるまみたい」
思わず舌にのせたら
こう訊かれた
「顔?体のほう?」
友だちの質問に
うまく返事ができなかった
「どっちだろね」
大人ならそう答えるのだろうけど
誤魔化すのも
立ち回るのも
まだまだ下手くそで
うまく舌が動かなかった
「さあね」
やっと冗談めかして笑って見せたけど
年賀状が来なくなった
お祭りの日に迷子のぼくを
助けてくれたあのひとなら
真面目に聞いてくれるんだろうな
「そうさねえ」
なんて言いながら