猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

空腹

舞い散る風の音を

ひとつひとつ受けとめようと

大きく口をあけた


雨は横なぐりで

目をつぶりたくなるけれど

せめて受けとめようと

大きく口をあけた


お腹は空かないのに

心に何か詰め込みたくて

せめて受けとめようと

大きく口をあけた


何も聞こえない日

何も見なかった日

何も歌わなかった日


せめて心に詰め込みたくて

大きく口をあけた