猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

朝はこないと

朝はこないと

あなたは言う


傷ついた猫のふりして

かわした約束を

もうほどいてしまいたいと


夜だけで充分なのと

あなたは言う


錆びついた季節にまぎれて

かわした手紙を

もう食べてしまいたいと


昼間はまぶしすぎると

あなたは言う


降り注ぐ光が雨にとけて

風さえ失われるのなら

もう終わりにしたいと


月のかけらを弄びながら

消えそうな声で