びろびろとだらしなく
艶やかな皮が
床中に広がっています
中身を
ガブリとやったあとなのです
あたしはね
器用にくるくる
皮を剥いたんだよ
なのにお前ときたら
びろびろとだらしなく
転がり続けるだけじゃないか
女はわたしを睨みつけ
文句たらたら溢れさす
びろびろだらしないのは
むしろ彼女のほうなのに
びろびろとだらしなく
艶やかな皮が
床中に広がっています
やわらかな光がカーテンに
ゆらゆらまとわりついていた
あたたかい昼下がり
女はブツブツ言いながら
誰かの感情を
びろびろとだらしなく
剥いています
艶やかな皮が
やがて彼女自身を覆い尽くして
しまうまで
女はわたしを睨みつけているのです