猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

泣けば泣くほど

煮こめば煮こむほど

美味しくなるなんて

ただの幻想で


あたしは

きみの手紙を読まずに

食べようと決めた


迷えば迷うほど

強くなるなんて

ただのなぐさめで


あたしは

きみのキスをくぐり抜け

抱きしめようと決めた


泣けば泣くほど

やさしくなるなんて

ただの思い上がりで


あたしは

ぎゅっと目をつぶって

きみの背中を

忘れることに決めた