猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

月と三つ目

砂をはらんだ

風が今日も

齧りかけの三日月をつつみこむ


星のはずれ

人里はなれた

小さな窪みがあたしらの住処

三つ目だからと

ひっそり暮らす


三つ目でもいいじゃないかと

お月さんは笑ってたから

ふざけて齧ってやったんだ


それでときたま

いびつな三日月が空に踊る


砂をはらんだ

風が今日も

齧りかけの三日月をつつみこむ


悲しみこさえて

風をつかまえ

あたしらひっそり

生きている