猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

ほんの少し夢を見た

翼ある命に憧れて

わたしたちは時々

ほんの少し空を借りた


どんなに真似ても

同じようにはなれないのだし

ほんの少ぉし夢見るだけで

幸せだった


ある時

もう少しだけ空を借りて

もう少しだけとどまれないか

そんなことをわたしたちは思いついた


あと少し

ほんの少し

もっともっと


ついには翼ある命に嫉妬して

しめだそうとした


空も風もひとりじめしたくて

同じようにはなれないことも

憧れだけで幸せだった日のことも


すっかり記憶から追い出した


翼ある命に憧れて

わたしたちは時々

ほんの少し空を借りた


どんなに装っても

同じようにはなれないのだし

ほんの少ぉし夢見ることが

嬉しかった