猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

少女のひとりごと

鍵をかけるのが好き

秘密と甘美な後悔と崩れそうな日々を

ひとところにおしこめて

鍵をかけるのが好き

大好き


鍵をかけるのが好き

過去と懺悔と壊れそうな感情を

ひとところにしまいこんで

鍵をかけるのが好き

大好き


そういえばある日

鍵がこじあけられて

何もかもがあらわになったので

こじ開けたものをさがしだして

ひとところにしまいこんで

もいちど

鍵をかけました


そのうち

解除番号も

鍵束のありかも

結局のところ

何をしまいこんだのかも

どうでもよくなりました


残ったのは

今でも鍵をかけることが大好き

そんなひそかな楽しみだけなのです


めでたしめでたし