猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

しっぽが揺れた

起きて


やさしい声がして

いつものリアルに転がり込んだ

夢のほうが

よほど居場所があるだろうに

眠ったままではいられない


ふにゃふにゃの脳内をなだめて

ふわりとベッドを抜けると

こっちと

また声がして


しっぽが揺れた


一度でいいから猫の日を過ごしたい

しっぽの長い猫になりたい

空が空でなくなる前に

空を壊してしまわぬように

猫でいたい

きみの代わりに


そう願ったんだ