猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

夢物語

冷凍しておいて

好きな分量削りとる

体温でゆるむ頃合いに言葉をのせる

 

感情クラウドを

すでに体から追いやって

それはそれは楽になった

 

やさしく聡くなれぬなら

せめて傷をつけぬよう

未来的技術に頼ったのである

 

冷凍しておいて

好きな分量削りとる

体温でゆるむ頃合いに言葉をのせる

ときには計算して

ときにはその中に魂を沈めて

わずかながらの声を発すれば

幸せか不幸かは

もう気にしなくてよくなる

 

なにがなんでも幸せにならなくちゃ

 

それが呪いになることもあるのだ

憂いも喜びも同じ場所で蠢くのだから