猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

風磨きのうさぎ−7

水でおおわれた星が

外側からさらに水におおわれて

ぷかりぷかりと

揺れているのが見えました

 

小さな小さな青い星の

氷という氷がとけて

そんなことになったらしいのです

 

風の譜面をとりだして

書き換えるように

星の行く末を

宇宙の摂理を

力ずくで人らに知らせる

確かにそれは簡単なこと

ただ

人らの選択に

必要以上に関わることは禁忌

 

天気をつかさどる

かみさまは

そうおっしゃって

うさぎを連れて星をお離れになりました

 

水でおおわれた星は

外側からさらに水に抱かれて

ぷかりぷかりと

揺れているのが見えました

 

かみさまを忘れて

かみさまを名乗りたがる人らが

とてもとても増えてしまった

そんないつかのお話です

 

 

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TossanさんによるイラストACからのイラスト