猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

手紙は届かずとも

手紙なんてはやらないでしょ

 

鼻面と耳先をひんやりさせて

きみは笑ったような顔になる

 

受け取りかたも

送りかたも

失われてしまったのに

僕は変わらずペンを走らせる

 

文字なんて読まないわ

 

行儀よく座って

きみはじっと僕の顔を見ている

 

そんなことより

ボールで遊びましょ

 

ちぎれんばかりに尾をふって

きみはわん!と吠えた

 

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