2021-09-04 旅の街 ふたり 詩人は嘘をつく 連れだって歩くのは 旅の街 いつもの心地よい会話が ふたりを包む 心待ちにしていたのは 多分あなたではないだろう 懐かしくて居心地よいのに 心当たりはまるでなく どこなのか 道は続くのか あなたが隣にいることを 私は許しているのか 連れだって歩くのは 旅の街 いつもの心地よい会話が ふたりを包む 「ねえ」 ふと気づくと あなたはもう随分と先を行き 私の声は夢の外へとこぼれ落ちた