猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

里帰り

あまりにくたびれて

午後9時を回った頃には

寝床にいた

 

長男の嫁でこそなくなったが

里帰りだけは今でも気遣いと気苦労を

天秤にかけるようなもの

眠りの間も夢にまんまと忍び込み

空元気の日中をやり過ごす

 

自分の実家となれば

もっと顕著で

傷もつけ合えば

腹も立て合う

近しい間柄だけに

どうにもこうにも伝え方が互いに下手になりすぎる

 

あまりにくたびれて

午後9時を回った頃には

寝床にいた

 

そのくせ

3時間もしないうちに目が覚め

昼間のあれやこれやを

くよくよ思い悩むのである

 

それだけで生きているのではないのに

それだけで死ぬわけでもないのに

一人の部屋でようやく冷静になれるのは

きっとお互い様なのだが

 

どちらかが召されるまでは

しみじみと続いていくのだ

 

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