あまりにくたびれて
午後9時を回った頃には
寝床にいた
長男の嫁でこそなくなったが
里帰りだけは今でも気遣いと気苦労を
天秤にかけるようなもの
眠りの間も夢にまんまと忍び込み
空元気の日中をやり過ごす
自分の実家となれば
もっと顕著で
傷もつけ合えば
腹も立て合う
近しい間柄だけに
どうにもこうにも伝え方が互いに下手になりすぎる
あまりにくたびれて
午後9時を回った頃には
寝床にいた
そのくせ
3時間もしないうちに目が覚め
昼間のあれやこれやを
くよくよ思い悩むのである
それだけで生きているのではないのに
それだけで死ぬわけでもないのに
一人の部屋でようやく冷静になれるのは
きっとお互い様なのだが
どちらかが召されるまでは
しみじみと続いていくのだ