猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

最後の手紙

「半年前に書いて忘れてたんだ」

 

文末には

またね、の代わりに一言だけ

「らしい」とつい声に出てしまう

瞬時に声も思いも届いてしまう時代に

逆らうように生きてた

 

理由はわからない

器は2度と戻らない

もう会えない

 

はっきりしてるのは

そんなところだ

 

「半年前に書いて忘れてたんだ」

 

またね、の代わりに一言だけ

「なんで」とつい声に出てしまう

 

誰も知らない

もう触れられない

 

はっきりしてるのは

そんなところだ