猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

泣く意味を見失っても

泣く意味を見失っても

指先はたくましく動き回る

 

あの子の粗探し

あの子のいい人

あの子の住処

あの子の弱味

なんて無防備なのだろう

嘘ではないとすれば、だが

 

あの子が一度だけ載せて

すぐ消した自撮りは

いつの間にか拡散されたようで

ついにあたしの元までやってきた

 

ほんの前まであたしの隣にいた人と

腕を組んだ

それはそれは素敵な笑顔で

 

泣く意味を見失っても

指先はたくましく動き回る

 

ひどいことは

頭の中だけで起きていて

あたしはまたひきずりこまれるのだ

 

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