25時をこえたので
もうバッハでもシューベルトでも
どうかとすすめるものもおらず
このまま
車でも呼ぼうかと
スマホに手を伸ばす
星も月も
猛スピードで流れていくので
猫にも追いつかれはしないだろう
例えばそこに
風磨きうさぎが現れて
人生どうよ?
そんな顔をしたとしても
僕はスマホに目を落としたまま
気づきもしなかった
25時をこえたので
もうバッハでもシューベルトでも
どうかとすすめるものもおらず
ならばこのまま
逃げ遅れてしまおうかと
スマホをしまいこんだ