猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

無題放題または心をみる猫の医者

じぶんをだいじにできない

そんな病に罹患した

娘にも息子にも相談できず

連れ合いはすでにおらず

兄弟姉妹は行方しれずときたものだ

 

心を診る猫医者は

そんな日もあります、と

話をゆっくり聞いてくれたが

出されたハーブティがどうにもぬる過ぎ

かえって笑いが止まらなくなる始末

 

泣きたくもならず怒りもわかず

カタカナだらけの夜を呪う気にもならず

さりとて無気力放題というわけでもなく

 

のんびり構えていれば

いつかは癒えるものだろうか

 

猫医者はしっぽを動かしただけで

何も言わなかったな

ふむ

その気になったらまた

ぬるい茶につき合うことにしてやるか