じぶんをだいじにできない
そんな病に罹患した
娘にも息子にも相談できず
連れ合いはすでにおらず
兄弟姉妹は行方しれずときたものだ
心を診る猫医者は
そんな日もあります、と
話をゆっくり聞いてくれたが
出されたハーブティがどうにもぬる過ぎ
かえって笑いが止まらなくなる始末
泣きたくもならず怒りもわかず
カタカナだらけの夜を呪う気にもならず
さりとて無気力放題というわけでもなく
のんびり構えていれば
いつかは癒えるものだろうか
猫医者はしっぽを動かしただけで
何も言わなかったな
ふむ
その気になったらまた
ぬるい茶につき合うことにしてやるか