新年度になり、何がどうしたというわけでもないが、自分用の弁当を作るようになった。
簡易的な容器に簡単な昼食を詰める。それだけのことだ。
冷凍食品を気まぐれに選ぶこともあるし、生真面目に野菜炒めをこしらえることもある。
朝食の片付けの前に、ささっと。
何かのついでに。気が向けば。
だから、決して毎日ではないし。
だから、ちっとも無理はしてないし。
だけど、やっぱり(持ち歩くわけではないが)弁当箱が欲しくなる。
そこで琺瑯の保存容器を買うことにした。
電子レンジにかけることはできないが、直火で使え冷凍もできる。弁当箱として使わない日は、茹で野菜なんぞを入れてもいい。
これでは、ものを増やしているのか減らしているのかわからないな。
あの人が生きていたら、そう苦笑いするだろうか。
春が静かに終わる頃、逝ってしまったあの人に。