猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

狂秋

生きてきて

何度目かの日曜日

あたしはスマホとBluetoothスピーカーで

遠い街のラジオ局を選ぶ

 

空が嘘をつかなかったのは

昔の話で

人よりも前触れのないものだから

信じられる事象は減るばかりだ

 

生きてきて

何度目かの日曜日

あたしは遠い街のラジオ番組を流しながら

冷たい飲み物を丁寧に作る

 

気温は30度超え

蝉は黙りこんで久しい

半袖Tシャツをいつ片付ければいいのか

見当もつかない

 

生きてきて

何度目かの日曜日

あたしは冷たい飲み物をおかわりして

首筋の汗をまた拭った

 

 

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