きみがあんなに喜ぶから
意識の隅にでも
刻まれたのだろうか
小さなカップアイスを買うのに
躊躇はなかった
かぼちゃの絵柄と
コーヒーの絵柄をひとつずつ
手を合わせたあとは
「悪いな、溶けちまうから」
答えはないとわかっているが
そう声をかけて冷凍庫へ
きみがあんなに笑っていたから
たいして甘味に執着ないのに
意識の隅にでも
刻まれたのだろうか
秋が近づいても
小さなカップアイスを買うのに
躊躇はなかった
きみと分け合うことは
もうないのだとわかっていても