猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

心を診る猫の医者-1

留守電の設定だけは

機種変しても得意で

有料のものから無料のものまで

ささっと設定する

 

気持ちの安定には

それが一番いいでしょうね

 

ある日

心を診る猫の医者に

そうアドバイスされてから

僕はずっとそうしている

 

用のある人間とは

メールかLINEで繋がっていて

舌の上には単語すら

のらない日も多くなった

つまりは数週間

いや数ヶ月単位で

誰とも会話がないわけだ

 

それでも

孤独だと感じたことがないのは

異常だろうかと

かえって思い悩むこともあったが

心を診る猫の医者は

なんでもなさそうににっこりした

 

「誰かと同じでいよう」

そう足掻くことほど

もっと孤独だと思いますがね

それに

孤独だと言葉にできるうちは

なんにも心配いりません

あなたはあなたです

 

そう言って

「お大事に」のかわりに

一声

「にゃぁん」と鳴いた

 

 

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