猫街暮らしの詩人さん

猫街に暮らす詩人さんのひとりごと

歩数

いわゆる万歩計を手放して、かなりの年数が経った。

スマートウオッチのようなものを探していた時期もあったが、結局はスマホの中に歩数計のアプリを入れることで落ち着いた。

 

ひとつ問題があるとすれば、「スマホを持ち歩いている間のみ計測が行われる」といったところだろうか。

在宅時は作業机か食卓に置いているし、スマホを忘れて出かけてしまうことだってある。その間、「O歩」の表示となる。

寝床でスマホを開いて「今日はちっとも歩いてない!」と落ち込みかけ、ああっ玄関に置いたまま出かけだのだった、と安堵して眠ったことも一度や二度ではない。

 

健康や体調把握のために、スマートウォッチを装着したまま眠るという方も増えているとどこかで見聞きした。

それなら歩数も数え間違うことはない。

 

それでも、と立ち止まる。

腕時計を外し、寝巻きに着替え、スマホをオフにして、小さくラジオを流す。

枕元には短めのエッセイ集と水筒。

 

何かもう、それだけでいいかな。

歩数より距離より、大切に寄り添いたい物事や感情はいくらでもある気がするから。

 

恥ずかしがり屋の金色うさぎちゃん、お気に入りです

(Mari Nishimura作)