北風が強い。
室温28度、湿度60%。エアコンを使わなくても、窓とドアをあければひんやり乾いた空気が部屋を満たす。
午前中、少し書き物をするくらいであれば、ほどよい。
一度出かけて、昼過ぎに戻った。
小さな植物のためにほんの少し開けた窓からは、熱風しか入らなくなっている。慌てて窓という窓を開け放し、風を入れる。
それから窓を閉めて、ごく弱くエアコンを稼働させた。
午後になっても湿度はそれほど上がらない。
だが、気温はぐんぐん上昇している。洗濯物はよく乾くだろう。
ほどよい真夏、というものが存在するのなら。まだ世界に。
ないものねだりと呼ぼうか、そんなものはない、と断言してしまおうか。